電気工事を自らが施工する場合は建設業許可の電気工事業とは違い、金額の大小関わらず「電気工事業の適正化に関する法律」に規定する登録を行わなければなりません。
電気工事士法では、工事の内容によって2種類の分類に分かれます。
一般用電気工作物
低圧需要設備
- 低圧需要設備・・他のものから低圧で受電して、電気をその構内で使用するための電気工作物をいう。
小出力発電設備
- 50kW未満の太陽光発電設備
- 20kW未満の風力発電設備・ダムを伴わないもしくは最大使用水量毎秒1㎥未満の水力発電設備
- 10kW未満の内燃力発電設備・燃料電池発電設備
自家用電気工作物
電気事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物で、最大電力500kW未満の需要設備。
電気工事士は、一般用電気工作物(600V以下の低圧電気を使用する一般家屋、商店、50kW未満の小工場等)のみの工事が施工できる第二種電気工事士と、自家用電気工作物の工事も施工できる第一種電気工事士があります。
電気工事業登録
一般用電気工作物又は自家用電気工作物に係る電気工事を営む業者は、電気工事業法の規定に基づき、都道府県知事又は経済産業大臣に対して電気工事業登録を行わなければなりません。
電気工事業登録を行わず営業した場合は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられますので注意してください。
登録電気事業者
一般用電気工作物のみ又は一般用電気工作物・自家用電気工作物の両方の電気工事業を営む場合は都道府県知事又は経済産業大臣の登録を受けなければなりません。
有効期間は5年間です。
必要となる要件は以下の通りです。
営業所毎に主任電気工事士を設置すること
①第一種電気工事士
②第二種電気工事士で免状取得後一般用電気工作物についての3年以上の実務経験を有する方
営業所毎に経済産業省令で定める器具を備えていること
①一般用電気工作物
絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計(抵抗及び交流電圧測定用)
②自家用電気工作物
絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計、低圧検電器、高圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置
通知電気事業者
500kw未満の自家用電気工作物のみの電気工事業を営む方はその事業開始日の10日前までに都道府県知事又は経済産業大臣の通知をしなければなりません。
必要となる要件は以下の通りです。
営業所毎に工事責任者を設置すること
①第一種電気工事士
営業所毎に経済産業省令で定める器具を備えていること
絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計、低圧検電器、高圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置
みなし登録・みなし通知電気工業者
建設業許可を受けている業者はみなし登録電気工事業者又はみなし通知電気工事業者として、登録・通知を行わなければなりません。
建設業許可を受ける前に登録・通知を受けている場合はそれを返却して、新たにみなし登録、みなし通知を行います。