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貸借対照表勘定科目⑦

流動負債

支払手形

支払手形とは、通常取引によって発生した手形債務のこといい、通常取引とは、事業目的のための営業活動において、経常的または短期間に循環して発生する取引をいいます。

手形には約束手形と為替手形の2種類があります。
約束手形とは、振出人が受取人に対して一定期日に一定金額を支払うことを約束する証券をいいます。
為替手形とは、振出人が引受人に対して一定の期日に一定金額の支払いを委託する証券です。

工事未払金

工事未払金とは、建設会社が発注者から請け負った請負工事契約の工事費のうち未払金額を示す負債の勘定科目であり、一般企業の買掛金に当たるものです。
この、工事未払金は労務費、外注費、材料費などがあります。
ただし、販売費及び一般管理費や固定資産の購入費などは含みません。

短期借入金

短期借入金とは、決算期後1年以内に返済されると認められる借入金のことをいいます。
1年を超えて返済する長期借入金であっても、分割返済の定めがある場合には、返済までの機関が1年以内の金額を短期借入金に区分します。

リース債務

流動負債のリース債務は、ファイナンス・リース取引におけるもので、決算期後1年以内に支払われると認められるものをいいます。
リース債務は、支払いの期限の到来が1年以内か1年を超えるかに基づいて流動負債と固定負債とに区分して計上します。

未払金

未払金とは、固定資産購入代金未払金、未払配当金、その他の未払金で決算期後1年以内に支払われると認められるものをいいます。
すなわち、営業活動において経常的にまたは短期的に循環して発生する取引に対する未払金で工事未払金以外のものを指します。

未払費用

未払費用とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払いが終わらないものをいいます。
具体的には、未払給与手当、未払利息、など、すでに役務は提供されたもの、期末日において未払いとなっているものです。

未払法人税等

未払法人税等には、法人税、住民税及び事業税に未納付額を計上します。
住民税は都道府県民税及び市町村民税を指し、事業税はいわゆる外形標準課税部分にかかる税額も含むほか、地方法人特別税も対象になります。

繰延税金負債

流動負債に計上される繰延税金負債は、税効果会計の適用により負債として計上される金額のうち、次に掲げるものをいいます。

  • 流動資産に属する資産または流動負債に属する負債に関連するもの
  • 特定の資産または負債に関連しないもので決算期後1年以内に取り崩されると認められるもの

流動負債に計上される繰延税金負債は、中小企業においては通常ないのですが、対象となる将来加算一時差異の例としては、連結財務諸表作成会社である場合に、存外子会社より受け取る配当のうち益金不算入とならない部分などがあります。

未成工事受入金

工事期間が長期になり、請負金額も高額になりやすいため、工事期間中は資金的な負担が重くなります。
そのため、着工時や工事期間中において、前払金や中間払金などの名目で請負代金の一部が支払われることを未成工事受入金です。
一般企業では、前受金に相当するものです。

預り金

預り金とは、他人からの金銭を受け入れ、後日預かった者または第三者に対して支払われるべきものをいいます。
営業取引に基づいて発生した預り金、営業外取引に基づいて発生した預り金で、決算期後1年以内に返済されるものを計上します。

前受収益

前受収益とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払いを受けた対価をいいます。
一般的には、貸付金利息や工事の機材の賃借料の前受分等が該当します。

完成工事補償引当金

完成工事補償引当金とは、引き渡しを完了した工事にかかる瑕疵担保責任に対する引当金をいいます。
建設業は引き渡し後に一定期間は工事の補修を無償で行うことが契約で決まっています。
収益計上した事業年度ではなく、その次の事業年度で補修費用が発生した場合、収益と費用を対応させるために翌期以降に発生を予測し、当期の費用として完成工事補償引当金に計上しなければなりません。

工事損失引当金

受注した工事が様々な状況により赤字になってしまうことがあります。
そうしたケースでは工事から損失が見込まれる場合の処理については、工事損失引当金を計上します。
工事損失引当金とは、工事契約について、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合には、その超過すると見込まれる額をそれが見込まれた期の損失として処理する引当金のことをいいます。

その他の引当金

退職給付引当金以外の引当金としては、賞与引当金、修繕引当金などがあります。
賞与引当金とは、翌事業年度の賞与支給見込額のうち当事業年度の負担とするべき金額を負債計上する勘定科目です。
修繕引当金とは、翌事業年度以降に発生すると見込まれる修繕費につき、当期の負担とするべき金額を負債計上する勘定科目です。

その他流動負債

営業外支払手形等、決算期後1年以内に支払いまたは返済すると認められるもので他の流動負債に属さないものを計上します。

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